人気の絵本の中には、怖い要素の入ったものが結構ある。
『ねないこ だれだ』、『すてきな 三にんぐみ』、『3匹のやぎのがらがらどん』、『かいじゅうたちのいるところ』。『Green Eggs & Ham』なども、何となく不気味な要素が入っている。
怖さの要素を物語の中でどのように使っているか、その位置づけはいろいろある。読み手を怖がらせてみたり、怖さはフェイントだったり、登場人物が怖いものに立ち向かったり、怖いものは登場人物の思い込みだったり、何が怖いのかよくわからなかったり。
とにかく、恐怖というのは物語の一つの重要な要素であることは間違いない。
怖いものについて認識するということは、その逆に対する感受性を育てるうえでも重要なんだと読み、なるほどと思った。
考えてみると、これは子供向けの絵本だけに限った話ではなく、大人向けの物語でもいえる。私たちの恐れているもの、それらへの対峙などを通した成長というのは、物語の柱になりやすい。それに、白黒つけられない世界では、怖いものはある程度存在して当然で、そうした世界のほうがリアルだということもある。
これを機に、私にとって怖いものは何かなぁということを考えてみた。
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1.肉体的な痛み
注射。
手術。
2.他者からの攻撃
自尊心を傷つけられること。
人格否定。
肉体的な痛みを与えるぞ、という脅し。
暴力。
3.人間関係
他人に嫌われること。
精神的・肉体的痛みにつながるような関係。
4.不自由
お金がなくなること。
信念を曲げさせられること。
力により押さえつけられること。
自分の意思で自分の行動を決められなくなるような状態。
5.追われること
余裕のないスケジュール。
つらいことが待ち受けているという圧迫感。
6.原因のわからない問題
体験したことのない、理由のわからない症状。
7.思い込み
誰かに見られているんじゃないか。
物陰から誰かが飛び出てくるんじゃないか。
鏡に何か映るんじゃないか。
飛行機が落ちるんじゃないか。
怖いという感覚
怖いという感覚は、リスク管理に重要だ。知らないことを怖いと思うのは自然。子供は知らないことが多いから、余計に怖いものが多く、またそれに関心も抱くのだろう。
おばけがこの世にいないと証明することは難しい。
子供のときは、経験値が少ないから、「おばけはいるかもしれない」という思いが強い。
でも大人になるにつれて、「今までの経験からすると、いない可能性が高い」から、あまり怖くなくなる。
怖いという感覚は、嫌いという感覚にも似ている。けど、怖いという感覚は底なしで、嫌いという感覚はそこに終止符がついているようだ。怖いものに対する経験値が高まって、自分なりの対処方法が決まると、「嫌い」になるのかもしれない。
怖いと感じるものに自覚的になることで、なぜそこまでそれが怖いのかということを考えるきっかけにもなるし、どう対処したらあまり怖さを感じなくなるか、アイデアが浮かぶかもしれない。
↓こんなんあります↓