すみよしの手帖

生活となりわいと趣味の手帖を紐ときます。

就活・プレゼン・セミナーにも応用可!「聞いてもらえる伝え方」の法則

 

こんにちは、よしのです。

 

今日は、人にちゃんと話を聞いてもらうための、即つかえる、具体的な手法をお伝えしたいと思います。

 

 

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つまらない話の具体例

MBAの授業を受けていて思うのですが、面白い授業と面白くない授業があります。

即、関心を失う授業やセミナーは、こんな感じです。

 

  • 話が一般的すぎて具体性がない
  • 「この講義への期待」の聞き取りから始まる
  • 個人的な意見の一方的な押し付けで論理性が薄い
  • やたらとショートビデオを流す
  • 声が大き過ぎる、無駄に近い

  

皆さんもこういう話を聞いた経験がありませんか。

なぜこういうことになるのでしょうか?

 

話を聞いてもらえないのは、聞いている人が不真面目だからではない

私は前職で定期的に講師として人前に立っており、「聞かせる側」の心理はある程度わかっているつもりですが、改めて「聞く側」に回ると、気づくことがいくつかあります。

 

そのひとつが、話を聞いてもらえないのは、聞いている人が不真面目だからではない、ということです。

話が聞いてもらえないのは、話がつまらないからです。

面白ければ皆、情報を逃すまいと注意して耳を傾けます。

 

まずは話を面白くする必要があります。

では、どうやって?

 

相手の欲しい情報を与える」ことです。

 

問題を解決する糸口を与える

「相手の欲しい情報」とは何なのでしょうか?

それは相手によって違います。

相手の立場に立ってみて、今何に悩んでいるのか、どんな問題によく直面するのかをよくよく考え(または聞き取り)、その問題を解決する糸口になるようなツール・考えを提示すれば、相手は自然と食いつくはずです。

自分の利益になるからです。

 

受講者の立場・地位などが違うと、講師は話がしにくいと言われますが、相手が抱えている問題が広範囲に広がって、焦点を絞りにくくなるからです。知識や経験の量、置かれた環境によって、それぞれが直面している問題は異なります。

 

たとえば「お金の管理」がテーマなら、聞き手が20代、30代、40代、50代等、どの年代なのか、どのような資産をいくら持っているのか、ローンの状況、家族形態、ライフスタイル、これまでの投資経験などで伝えるべき内容は全く違うはずです。

 

「自分に関係ない」と思うと、人は話を聞かなくなりますから、いかに相手の問題解決に役立つ話をするかが重要なのです。

 

問題解決の糸口を伝える際の短期的視点と長期的視点

問題解決の糸口を与えるときに、二つの視点があります。

ひとつは、短期的視点

これは、「即つかえるツール」を提示することです。

チェックシート、点数表や、書き込み式の要点整理シート、モデルなど、問題を整理するために今すぐ使える道具があると、聞き手は「具体的な何かをもらった」と感じます。

 

もうひとつは、長期的視点

私の考えではこれは、「汎用の効く考え方」を提示すること。普遍的な学び、と言ってもいいでしょう。

問題解決のための手法の、根底に流れる基本的な考え方みたいなものです。

覚えやすく、真理をついている考え方は、長く聞き手の頭に残り、いつでも引っ張り出してきて参照できますので、聞き手は「汎用性の高い情報をもらった」と感じ、満足感が高まります。

 

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聞いているだけだと飽きる

聞き手にとって有用な情報を与えられれば、自然と注意を引くことはできます。

が、ずっと一方的に話されても、聞いている方は集中力が続きません。

 

簡単に集中力を高める方法としては、参加型(ハンズオン)の何かをすることです。

MBAで典型的なのは、「ケーススタディ」ですね。

クラスの中の、そのときどきで異なる指定のメンバーとチームになって、ある問題の前提となるストーリーを読み込み、教授の設定した問題を一緒に解くという活動です。

問題に対するチームの回答を、クラスの前でプレゼンするというのはよくある授業の形です。

ケースによってはこの中にゲームが組み込まれていて、たとえば他のチームと交渉・対戦する場合もあります。

ただ単に話を聞くだけでなく、誰かと話し合ったり、発表の場があると、緩急がついて集中力が持続しやすいです。

 

人の集中力が持続する限界は一般に90分と言われますが、タイミングよく休憩をとるのも重要です。

 

相手に期待する

もう一つ、私がとても重要だと思うのは、聞き手に高いレベルを期待することです。

相手をストレッチする、とも言います。

 

大体、聞いてる方は100%の力で集中していたりしません。

でも、100%集中していないとついていけない内容で、それが有用な情報で逃しては困ると思えば、聞き手は一生懸命聞こうとするのです。

 

これは、ある意味話し手が聞き手を高く評価して、聞き手に期待するということでもあります。

「分かりやすい話を心掛ける」ことはいつでも大切です。

独りよがりに難しい言葉を使わないよう、注意する必要はあります。

でもこれは、「聞き手を見くびる」こととは全く違います。

相手の必要としている有用な情報を、分かりやすく伝えることが重要なのです。

 

ここで一点、注意ですが、相手をストレッチする、ということはある程度予習等でも言えることです。ただし、予習や宿題の出しすぎには注意した方がいいです。

仕事にも「ライフ・ワーク・バランス」が欲しいですよね。仕事以外でもそれは同様です。

私的時間をあまりに占拠する時間外の課題は、話し手に対する信頼を損ないます。少なくとも私の場合はそうです。

 

個人的には、講義時間内に読んで、取り組んで、完了できる分量が丁度いいです。

 

効果的な話の流れ

有用なツール・考えを相手に提供するときの、話の流れにも注意が必要です。

私が感じる効果的な話の流れは、相手がよく直面する問題や、陥る状況をあからさまでない形でゲームやケーススタディに忍びこませ、まず再体験してもらうというものです。

 

交渉技術に関する授業でとても面白かったのが、クラスのチームの半分ずつが石油産出国であるA国とB国に分かれ、C国に売る石油価格の取り決めをするというものでした。

 

それぞれにお互いの見えないところで価格設定の戦略を練り、石油価格を決めます。

先生が自国と相手国の設定価格が書かれた紙を交換しに来るのですが、このとき、

  • 相手国が自国よりも低い価格を提示してきたら、自国の利益がものすごく下がる
  • 逆に、自国が相手国よりも低い価格を設定すると、大きな利益が得られる
  • ただし、両国が同じ価格を設定すると、両国の利益は均等で、価格設定が高いほど利益率も高い

というゲームです。

ゲームの目的は「自国にとってできるだけ高い利益を上げること」です。

 

実世界では法律に引っかかりますが、あくまで交渉に焦点をあてたゲームということで、このゲームでは数回に1回、交渉担当をお互いに決めて、直接価格交渉をする機会というのがありました。

「じゃあ次はこうするから、こうしてね」と合意して、蓋を開けてみたら、裏切られている。

一度裏切られると、なにくそと思って、次は相手をだましてやろうと思う。

そうやって、お互いに自分の心理だけに注目して、本来の目的(「利益をあげること」)を忘れてしまう、という再体験を、このゲームは提供してくれました。

 

幸いにも我々の相手国は懐の広いチームで、自分達が不利益を被っても「戦う意思はない、協力しよう」というメッセージを送り続けてくれたので我々の利益はクラスで1番だったのですが、その後、先生が教えてくれた「普遍的な哲学」は、次のようなものでした。

 

パイを取り合うのではなく、パイを最大化するために必要なことは、

  1. 信じること、
  2. 赦すこと、
  3. 報いること(親切や厚情を返すこと)。

 

これを聞いたとき、私は本当にジーンとしました。

ケースは、身をもってこれを感じさせてくれました。

たぶんこの普遍的な学びを、私はずっと忘れないと思います。

 

まとめ

まとめると、「人にちゃんと話を聞いてもらうための、即つかえる、具体的な手法」はこうです。

 

  • 相手の立場にたって、相手の直面する問題を特定し、
  • 参加型(ハンズオン)の取り組みを通して、相手にその問題を再体験してもらい、
  • その問題を解決するための糸口を、

   - 短期的視点(即つかえる道具の提示)と
   - 長期的視点(普遍的な学びの提示)で解説する。

  • この際、相手の高い集中力・理解力を期待(ストレッチ)する。

 

表題で就活・プレゼンにも応用可、と謳いましたが、要は「相手が何を必要としているかを察知して、それを提供する」ということが、話を聞いてほしい場面での伝え方すべてに通じる注意点だと思います。

 

就活なら、採用側の問題を特定したうえで、売り込む短期的視点は「私のスキル」であり、長期的視点は「私の誠実性等の傾向(知識のようにすぐに身につかないポジティブな性質)」ということになるでしょうか。

ハンズオンの再体験は工夫が必要かもしれませんが、相手に期待する、という部分も共通していると思います。

 

 

私は、自分自身が講師をしているとき、「聞いてほしい情報」があって、それを頭に入れてもらうことが目的になっていました。そのために、寝ている人は起こしましたし、名指しであてたりして、無理やり注意がこっちに向くようにしていました。

でも、最近自分が授業を受ける側を続けていて、そういう私の昔のやり方は努力するベクトルがずれてるよなぁ、と改めて気づきました。

興味のない授業は、自分だとしても集中できません。

相手が話を聞いてくれないのは、自分の話の内容や話し方に問題があるのです。

それで、面白い授業、面白くない授業の共通点を考えてみようと思って今日の記事を書きました。

 

少しでもお役に立てましたら幸いです。

 

それでは今日はこの辺で。

ビスダン!

 

 

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