すみよしの手帖

生活となりわいと趣味の手帖を紐ときます。

巨匠 アルヴァ・アアルトのお家探索

 

こんにちは、よしのです。

 

昨日の続きで、アアルト邸について詳しくご紹介したいと思います。

↓まだ読まれていない方は前回の記事もぜひ!↓

 

 

写真は間取りを除き、ほぼ私が撮った写真なので、分かりにくい部分や人が入っちゃっているものがありますが…雰囲気が伝われば。

 

今は誰も住んでいないから、若干すっきりしすぎてて生活感がない印象かもしれませんが、アアルトさんはシンプルに暮らすのが好きだったようなので、当時もそんなにはごちゃごちゃしてなかったろうと思います。

 

それでは行ってみましょう!

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アアルト邸ツアー

アアルト邸は現在アアルト財団が管理していて、現地でツアーが可能です。

Alvar Aalto MUSEUM

私が行ったときは個人での予約は不要、となっていましたが、やたら人が集まっており次の回(1時間後)に回されました。予めチケットを持っている人もいた。

個人や少人数で行くときは、30分前くらいからドアの前で待っていたほうがいいと思います。裏庭で待っていると後から来てドア前で待っている人の後に回されちゃうので…

 

全体・間取り 

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(Atlas of Interiors, http://atlasofinteriors.polimi-cooperation.org/2014/03/19/alvar-aalto-the-aalto-house-helsinkis-munkkiniemi1936-1937/)

 

アアルト邸は長方形がちょっとでっぱったような箱型のお家。シンプルな中にも、部分的に色や素材を変えていてお洒落な外観です。

 

1階 間取り

まずは1階の間取り。

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(引用元:同上)

外につながるドアが5つもあります。それぞれ、道路、庭や裏手につながっています。ドアが多いと、生活の場面に応じて家や庭の使い勝手が広がるでしょうね!

 

アアルト邸が建てられたころは、デザイン事務所を兼ねていたため写真の左側はオフィスと書斎になっています。ここは2階まで吹き抜けになっていて、ゆとりある空間。

後にオフィスがアアルト邸から歩いて5分くらいのところに建てられました。

 

2階 間取り

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(引用元:同上)

階段を上って2階へ。2階に上ってすぐ、リビングがあります。

アアルト邸で特徴的だと思うのは、リビングが1階と2階に2つあるところです。1階はオフィスのすぐ隣にリビングがあるから、お客さんもたまに入っていたのかもしれません。

 

1階がオフィス・書斎とLDKで、2階が4Lとバルコニー。十分な広さがあるけど、無駄はまったく感じません。

 

外観

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ここがツアーの入り口。道路に面したドア。

 

右手から裏に回って歩いていくと、スポーツ場が見えます。昔はここから海が見えたみたい。海まで歩いて5分くらいの場所です。

 

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庭に面したドアが3つあります。

 

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右にぐるっと回ると裏手につながるドアが。これはツアーが始まるドアと同じ方角です。塀で囲われていて、道路からキッチンが見えないようになっています。

 

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エントランス

ツアーが始まるドアを入ってすぐのスペースはちょっとした受付とショップになっています。

ここからオフィスへ進む通路には、畳をつかった壁が。アアルトさんは日本文化にも興味があったみたいです。 

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オフィスのとなりの暖炉とソファー。簡単なエントランスという感じです。

 

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オフィス

オフィスには吹き抜けに加え、大きな窓がついていて明るい光が射し込みます。気持ちのよさそうな場所ですね。

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書斎

暖炉の左側の階段を上っていくと書斎があります。間接照明・勾配屋根で広がりを感じます。本棚にかかったハシゴもおしゃれ。 

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この書斎には秘密が隠されていて、振り返ると2階につながるハシゴ・ドアがあるのです。

 

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アルヴァさんは嫌いなお客が来るとここから離脱していないふりをしていたそうです。

遊びごころあるなー!

 

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1階 

リビング

オフィスのとなりはアアルト邸の1階リビングです。暖炉を囲んでソファーがたくさん置いてあります。

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黒いアームチェアや紺の長椅子はアアルトさんの作品ではないようです。

 

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グランドピアノの上にある和傘のような置物は友人からもらったものだそうです。ちょこちょこ使われている籐素材の家具が、軽やかさとリラックス感を出しています。

 

庭の緑が見える大きな窓はアイノさんのこだわりだったようです。家具の背が低く抑えられていて、視界を妨げません。

 

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さりげなく使われているアルヴァさんデザインのトローリーとベース(花瓶)。

ブラインドとして使われているすだれも日本を彷彿とさせますね。

 

ダイニングに向かって開口部が広いので空間にゆとりを感じます。

 

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ダイニング

こちらがダイニング。

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シンプルな壁は夫妻のこだわりのもの。

アアルトさんのシンプルな作品とはちょっと毛色が違うダイニングの木彫り椅子はアルヴァさんとアイノさんが新婚旅行で行ったイタリアで購入したものだそうです。

思い出の詰まったものを長く大切に使う。

丁寧な暮らしのお手本ですね。

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キッチンとダイニングの間に作り付けられた棚にはアイノさんのこだわりがたくさん詰まっています。

左手の白い引き戸の棚は、エリッサさんが作ったものだったと思います。

 

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作り付け棚の裏手。お客さんの前に出なくても料理を出したり、食器をしまえますね。

 

キッチン

キッチン。当時はお手伝いさんがいたのかな?

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日本の古いシステムキッチンを思わせますね。すっきりしていて、ギンガムチェックがかわいい。リノベーションの参考になりそうです。

 

トイレ

トイレはふつうです。

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2階へ行ってみましょう!

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2階

アルヴァさんとアイノさんには子供が2人いたそうです。

2階には主寝室と副寝室2つに加え、客室があります。

 

アルヴァさんが亡くなって2人目の妻、エリッサさんがここで1人で暮らしていた時に、2階の寝室まわりをちょっと改装したようです。

 

リビング

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2階に上ってすぐにまた暖炉があり、その周りを囲うようにリビングがあります。

 

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ここも大きな窓があって、家具は低めにおさえられています。

小さな空間でも広く見せるための工夫ですね。

 

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ランプや棚、椅子が空間にスパイスを加えています。

アアルト邸はペンダントライトが多い印象です。

光は目を引くから、形の美しいランプは、部屋が一気に洗練される気がします。

 

ところどころ緑があるのもいいですね。

 

主寝室

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ここが主寝室です。シンプル&クリーン。

アルヴァさんはここでお仕事することもあったみたい。

幅のある机はピッタリ窓下の高さです。

机の下に机を収納するって、すごい頭いいですね!しまえば場所を取らないから空間を有効利用できます。

 

ベッドの足元にあるのはアルテックのベンチ。

SATCの記事でもご紹介しましたが、ベッドの足元にベンチがあると、ちょっと座って何かしたり、仮置き場で何か置いたりもできるし、見た目にリラックスした感じが増しますよね。

 

籐の椅子がポイント。

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副寝室1

副寝室です。シンプル&クリーン。

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このお家は全室を通して、壁一面の本棚を除き、窓の高さを越えないような低めの家具が合言葉のようです。

家具が大きくないとすっきりして見えるんですよね。

 

大き目の窓も光が入って気持ちいい。 

前回ご紹介したように、フィンランドは、冬暗い時間が長いから、家をつくるときは採光の工夫がとても大切なんですよね。

 

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作り付けの机は柱を避ける丁寧なデザイン。

 

副寝室2

2つ目の副寝室。

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決して広くないけど、必要なものはそろっている。机の置き方が参考になります。

棚は背を低めにして上を化粧台のように使えるようになっている。

ベッドは寝てないときはソファーとして使って、部屋を広くみせてますね。

色が全体的にナチュラルでかわいいです。

 

風呂・トイレ

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ここもふつうですね。

 

客室

ここは客室だったと思います。

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ベッドが3方囲まれているとちょっと狭そうな印象を受けますね。

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 バルコニー

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天気のいい日はここで海を見ながら日向ぼっこ、なんて最高ですね!

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

大きな窓に、作り付けの棚や机の多さが、この家がものすごく入念に考えてから作られていることを物語っていますね。

 

棚が低いってことは、ものはあまり増やせないということで、シンプルに暮らす必要があります。

でも緑や海を眺めたり、リビングが2つあって、人が集まって団らんしたりすることが、幸せな暮らしの真髄だってことをきっと一家は分かっていたんだと思います。

 

それでは今日はこの辺で。

ビスダン!

 

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