こんにちは、よしのです。
いよいよ卒業を来月に控え、就職活動に熱を入れないとヤヴァイなと思っています。
以前「ドイツMBA生の現地就活事情 序章」なる記事を書いたので、この辺で再度、思うことを書いておこうと思います。
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- いきがいベン図
- ブルー・オーシャンを探せ
- やりがい(いきがい)と自立
- ピボット転職戦略
- 「オーバー・クオリファイド」の落とし穴
- ドイツ就活に必須の基本パッケージ
- チェックしている就活サイト
- 売りとなるスキル・キーワードを見つける
- 就職は運と縁も大きい
いきがいベン図
http://cecilepoignant.com/what-makes-life-worth-living/
初めてこの図を見たとき、「なるほど」と思ったのを覚えています。
好きなこと、得意なこと、世界が必要としていること、金銭的に報われること、この4つが重なるところに生き甲斐があるということを表したものです。
全てを満たす仕事を見つけるのはもちろん簡単なことではありません。
それでも、どこから始めたらいいか分からないときに、考えを整理する手助けにはなると思います。
ブルー・オーシャンを探せ
世界が必要としていることと、金銭的に報われることは必ずしも量的に比例しませんが、この二つは大きく相違することはなく、需要があれば金銭的な報酬があるケースが多いです。
問題は自分の好きなこと、得意なことと、需要がマッチするかどうかです。
自分には何ができるのか?まずはそれを客観的に見定めることが大切です。
その能力がなぜ自分にあるのかを、実技でも実績でも資格でも、示せることが必要です。
それはどこでどんなときに必要とされるのか、自分以外にはどれだけの人が得意としているのか?
マーケティングでいう「ブルー・オーシャン」(競争の少ない市場)を探すのが、効率的な就職戦略の立て方です。転職市場では人間もスキル・人材という商品ですからね。
得意なことで、需要のあることをほとんどの人が仕事にしていると思います。
または、参入障壁の低い仕事について、専門知識を付けていった結果、得意なことを仕事にしているという状況。
これに、さらにその仕事を心から好きで、情熱を持てるという条件をプラスした状況があるわけですが、これが実現の難しいところです。
好きだと言っても、客観的に見てまったく知識も経験もなければ、そのポジションにつくのは至難の業です。
ただ闇雲に求人に応募していたら、100社応募したけど全部落ちた、という状況になっても不思議はないと思います。
求められるものを提供できるというポジションに応募しないと、時間の無駄です。
やりがい(いきがい)と自立
私は、MBAを始める前は、8年半も務めたし、ドイツでの就業経験もあるし、転職活動、何とかなるんじゃないかと思っていました。
どうせ転職するならば、やはり情熱の持てることをやりたい、と強く思っていました。大きなことは、エネルギーを傾けないと成し遂げられません。
働かされている、と思うのではなく、自分が自主的にやりたい、と思うことに、好きなだけ時間をつかえる、そんな環境に身を置いてみたいと思いました。
しかし、現実的な問題として、お金がないと生きてはいけません。
お金がある限りは、好きなだけチャレンジするつもりですが、誰かにお金を借りなければならないような状況になる前に、「食い扶持」を捕まえるという割りきりは持っています。
「好きな仕事」じゃなくても、なんかしらの仕事はしなければなりません。
「好きなこと」をやるということは、贅沢なことだなぁと思います。
ピボット転職戦略
千里の道も一歩から、というように、今すぐに好きなことを仕事にできなくても、ちょっとずつそこに近づいていくことは可能です。
目標とするポジションの業界や職種に必要とされる・関係のある項目を洗い出して、それに関係のあるポジションにまず就職します。
そこから、長期的にスキルや人脈を広げていって機会を見て目標とするポジションに再チャレンジするのです。
私はこれを「ピボット転職戦略」と名付けました。
大学の就活イベントでお会いした、とあるドイツ企業の人事の方に、
「あなたの経歴の中では、この部分の能力を活かしてその専門を高めるのが有効だと思う。そこから、将来的に希望のところに転職するのは、もちろん不可能ではない。」
と言われ、それまで注力していなかった職種にシフトすることを検討し出したのが「ピボット転職戦略」について考えたきっかけです。
自分の能力や経験の中から売りを探すとき、気に入らないところを無視して、見たい部分ばかり見てしまいがちです。
必ずしも「大好き」な分野でなくても、経験は経験ですから、最大限活用して、長期的な視野で転職していくのも一つの方法だと思います。
「オーバー・クオリファイド」の落とし穴
転職活動およびキャリア形成の際にもう一つ念頭におきたいのは、「オーバー・クオリファイド」の落とし穴です。
オーバー・クオリファイドは簡単にいうと、「できすぎ」ということです。
必要以上の経験や能力を持っている人は、倦厭されてしまいます。
マニュアル通りにやれば、誰でもできる仕事ならば、経験の浅い、人件費の安い人を雇った方が会社は利益が出せます。
むしろ中途半端に知識や経験のある人は、給与レベルや仕事の内容が気に入らないと言ってすぐにやめてしまったり、素直に指示に従わなかったり、というリスクがあると思われています。
上昇志向がないならば、誰でもできる仕事をずっとしていたほうが、転職しやすい可能性さえあります。
日本の場合は、年功序列・終身雇用の感覚がまだ残っていて、「昇進させてあげる」と会社に言われて断る人はほとんどいないと思います。
「ゆくゆくは役員・社長になるんだ!」とか、そこまでいかなくても、できるだけ偉くなりたい、と思っている人が多いのではないでしょうか。
一方ドイツでは、上昇志向のないサラリーマンは珍しくありません。定時に帰り、通勤時間は片道30分以内、というところに重きを置いて、何十年も同じ部署で同じ仕事をしていたりします。それでも、専門職に参入するハードルがそこそこ高く、経験を通じて専門を高めていくので、職にあぶれたり給与レベルで困ったりということはなさそうです。
上昇志向のある人の場合、転職に転職を繰り返し、職位を上げていった結果、能力的にどんづまりになるケースも多いようです。
だからといって、今までより低いレベルのポジションには「オーバー・クオリファイド」でなかなか就けないので、八方ふさがりになってしまいます。
また、業界内の転職が多いので、なにかやらかしてしまうと、すぐ噂が広がってしまって転職が難しくなってしまいます。
話が逸れましたが、要は自分に求められるレベル感を読む必要があるということです。
マネージャー経験のある人が、以前より低いポジションに応募する場合には、相手を十分に納得させられる理由が必要です。
また今後も梯子を上っていくやる気がまんまんでない場合には、専門を手に付けて落ち着く方向性を検討するのも有用です。
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ドイツ就活に必須の基本パッケージ
1.カバーレター/Cover Letter/Anschreiben … 志望動機および自己PR
2.履歴書/CV(curriculum vitae)/Lebenslauf … 学歴、職業経歴、使用言語や資格
3.証明書/Certificates/Zeugnisse … 資格等の証明(高校以降の卒業資格含む)
カバーレター/Cover Letter/Anschreiben
ドイツでは、職務記述書/Job Description/Stellenausschreibungなるものに、そのポジションの詳細な仕事内容・職責、必要とされるスキル・経験、会社がオファーする福利厚生などが書かれており、これが色々な転職サイトで公開されています。
その情報を見て、上記の3点セットパッケージをサイトやメールから送付して応募します。
カバーレターでは、志望動機や簡単な自己紹介に加え、このJob Descriptionで求められている内容に、自分がマッチしているということを説明し、相手を納得させることが必要です。
まずCover Letterが見られ、興味深い内容ならCVや資格がチェックされます(採用担当によってはまずCVから見る人もいるようですが)。
よってカバーレターは「つかみ」となる重要な書類です。
・自分は何者で
・自分には何ができて
・自分はどうしたいのか(このポジションで働きたい)
という3点は明確にし、その中で「なぜ貴社が他の候補者でなく、自分をとるべきなのか」が分かるようになっていないといけません。
ドイツの就活では、積極的に前に出て行って、これができます!だから私を雇えば間違いない!くらいの強腰で行くことが求められます。
履歴書/CV(curriculum vitae)/Lebenslauf
CVには、学歴、職歴、資格や使用可能言語・ITスキルの他、生年月日を書いて写真を付けるのが一般的です。
写真も相当気張って写真館で1万円くらい出して撮る人が多いです。人事は結構、写真(から感じ取られる人柄)を見ています。
学歴や職歴はどのポジションに応募しようと変わらないので、CVは資格取得や卒業等条件の変更がない限り使いまわしすることが多いですが、中には過去の経験の中でも、特に応募先に関係あるものを強調したり順番を入れ替えたり、と編集する人もいます。
CVに家族構成や趣味を記載する人もいますが、マストではありません。
カバーレターとCVは双方A41枚に抑えるのが望ましいと思います。
さらに、こだわるならこれらには直筆サインするのが望ましいようです。昨今は原紙を郵送するケースはほとんどないので、私は署名データを貼り付けたPDFデータを送付することが多いです。
カバーレター、CVのフォーマットのイメージは以下のサイトを参照していただくとよいと思います。
XING系列のページ、Lebenslauf.comでは簡単にドイツ語のCVが作れておすすめです。
証明書/Certificates/Zeugnisse
大学卒業証明、成績証明に加え、こちらではAbiturzeugnisと呼ばれる高校卒業資格にあたる書類の提出を求められることが少なくありません。
私はこれにあたるものとして高校の卒業証明やその成績証明を必要に応じて提出しています。
また、求められる場合・関係ある場合にはビザ関連の書類や免許証、その他の資格証明を提出します。
チェックしている就活サイト
前回の記事でLinkedIn(https://www.linkedin.com/)とXING(https://www.xing.com/)について触れましたが、その他チェックしているのはIndeed、StepStone、Monster(http://www.monster.de/)や、MixB、ドイツニュースダイジェスト、Daijob、などです。
Daijobさんは日本のサイトですが、業界大手の中でも海外求人が多いイメージです。
またKienbaumさん(http://www.kienbaum.jp/web/japan.aspx)やCareer Managementさん、JAC Recruitmentさんなどのエージェントにも登録しています。
Google検索バーで直接「Stellenausschreibung+(スキル)」を打っても結構いろいろなポジションが出てきます。
地場の不動産屋がその地域に強いのと同じで、日本に拠点を置くエージェントやサイトに入ってくる海外現地採用の情報量は限られています。よってこれらの方々から直接いただく求人紹介は、ほぼ100%日本勤務です。
中にはドイツに本社があったり、グローバル展開していて数年で海外に出られる(かも)とかいうケースもありますが、予定は未定。
私は勤務開始時点からドイツ勤務を希望しているので、現地サイトをメインにチェックしています。
世界中移動(異動)する心づもりが高く、出向者ポジションに就きたい方は日本で就活するのもありだろうと思います。
売りとなるスキル・キーワードを見つける
ツールはなんであれ、絞り込みをかける際のキーワードが必要で、これがとても重要です。
私の場合前職がドイツだと資格が必要な仕事で、同じ畑で働くのは困難なのですが、取り扱っていた仕事の一部や、他の職種と重複しているようなスキルを切り出して専門化できないか?という視点で見てみると、すごく市場が広がったりします。
需要があるのはどのスキル・能力なのか?ということを見つけ出すのが重要です。
日本人だと日本語喋れて当然ですけど、日本語はドイツ語と大きく違う言語なので喋れる人はドイツではマジョリティではないです。ドイツで就職する移民にとって、母国語は重要なスキルです。さらに他の能力をかけ合わせていけば、泳ぐ海は青に近づいていきます。
就職は運と縁も大きい
採用されるかどうかは時の運に大きく左右されます。
希望のポジションが空くかどうかは、応募先の会社で、産休を取る人が出た!とか、いきなり辞められてしまった!とか、新規市場参入が決まった!とか、我々にはわからないことに左右されているからです。
良い感じで面接が進んでいたのに、経営層の交代で舵取りが変わって採用はなしになった、とか、ブレグジットのような出来事や景気の変動も影響します。
いつどのようなポジションが空くかわからないから、次のところで腰を据えて長期的に働こうというつもりなら、半年くらいはいろいろな求人を見る活動期間が欲しいところです。
一度就職したらすぐに離職するのはリスキーですし、「好きなこと、得意なこと」と世のニーズがマッチするようなチャンスは、なかなか見つかるものではないので。
大きく構えて根気強くよい縁を探していきたいものです。
それでは今日はこの辺で。
Viel Grück フィールグリュック!
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(2016.08.10 更新:DiplomではなくAbiturzeugnisでした。HerrTomoさん、いつもありがとうございます!他CVに関する追記。)
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