こんにちは、よしのです。
最近気づいたこと。日本語を話す外国人でも、レベルはピンキリで、とってもナチュラルな人もいれば、てにをはや単語が不自然だなぁという人もいる。
以前も書きましたが、私はドイツ語を勉強するためによく日本やアメリカの作品の独訳を観たり読んだりします。でも、いくらドイツ語と英語が近いといっても、アメリカでは使うけどドイツでは不自然になる言い回しとかあるはずなんですよね。逆もある。
だから、ナチュラルな言葉を話すにはやっぱりその国発祥の作品に触れるのがいいと改めて思ったのです。
というわけで、ドイツ発の映画をいろいろと観ていきたいな~と。
ドイツ語の勉強になるだけでなく、ドイツの文化や歴史、ドイツ人の考え方や問題意識も分かるし。その過程で、ブログでも内容や感想を紹介できたら、一石三鳥だぜ!と思うわけです。
今日は、前々から気になっていた『グッバイ、レーニン!』を観たので、その感想をシェアしたいと思います。
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『グッバイ、レーニン!』のあらすじ
東西ドイツ統一に翻弄される家族の愛を描いた映画。
主人公のアレックスは東ドイツの体制に傾倒する母を持つ。
反体制デモに出掛けて警官につかまるアレックスを偶然見てしまった母は、心臓発作で倒れ、昏睡状態に陥る。
東西ドイツが統一された後、母は目を覚ますが、アレックスは母に更なるショックを受けさせないために、東ドイツが続いていると思い込ませるための色々な工作を仕掛ける。
監督はドイツ出身のヴォルフガング・ベッカー氏。同作は第53回(2003年)ベルリン国際映画祭、最優秀ヨーロッパ映画賞をはじめ、様々な賞を受賞。
東西ドイツ統一って、ドイツ人、特にベルリンの人にとってはとても重要なできごとなんですよね。言ってみれば韓国と北朝鮮が統一するようなこと。その時代、その場所に生きていた人の受け取った衝撃は、私達には想像できないほどだったでしょう。
ドイツ人が自ら表現する東西ドイツ統一というテーマが、とても興味深いと思うのです。彼らがその出来事をどう受け取ったのか、私は知りたいです。
またそのテーマ性だけでなく、この映画は脚本も、画も、俳優陣の演技も素晴らしく、根底に流れる柱として「家族愛」があるので、単純に見て楽しめる作品になっていると思います。
映画の見どころ
センチメンタリズム
80年代後半、90年代とかって私にとってはいつまでも憧れの対象なんです。自分の幼少期だから、なんだかセンチメンタルになるというか。
この映画の時代設定は、89年以降。東側は配給制だったので、華美な装飾や文化がないところに、東西ドイツが統一されて、西側から様々なものが入ってきます。
主人公のアレックスが、彼女であるララと廃墟にあるクラブに行くシーンがあるのですが、お洒落なのなんの。当時のクール、クールすぎじゃろ!?と思うのです。
(以下、画像は作中より抜粋)
魅力的な俳優陣
主人公アレックスを演じたのはダニエル・ブリュール氏。当時のお姿は文句なしのイケメソ。三浦春馬さんとか岡田将生さんっぽいと思うのは私だけ?
怒った表情や複雑な心情の表現も見事です。因みにブリュール氏は本作でヨーロッパ映画賞男優賞を受賞したそうです。
恋人役ララを演じたチュルパン・ハマートヴァ氏もかわいい!
ベランダで寝る二人。お洒落…でも、寒そう。
インテリア
東独の昭和を感じる質素なインテリアがお洒落。しっかりとした作りの物を永く使う、みたいな雰囲気。
家族愛
この映画の重要な構成要素である「家族愛」。
家族で過ごした懐かしい子供時代。母を想う子。子を想う親。新しい家族・恋人。
色々な家族の形や、家族間で交わされるやりとりが、観る者の胸を熱くさせます。
登場人物の心情の交錯が面白く、一度観ただけでは気づかない奥深さもあり、何度も観たくなる作品になっています。
ちょっと古い、けど新しい
話の内容も、脚本も、画も、古い中に今見ても新しいと感じる部分がある気がします。歴史を扱うと同時に、普遍のテーマを扱っているということもありますよね。それに、当時の人にとって新しかったものって、その新鮮さを体験したときの瑞々しい感覚みたいなものが、今表現を受け取っても新鮮に思えるんだと思うのです。
2003年公開の映画だけど、今なお全然新しい気持ちで観ることができる。
ドイツに興味のある方もない方も、お世辞なくオススメできます!
ちなみに『グッバイ、レーニン!』は名前を聞いたことはあったものの、『映画に学ぶドイツ語 台詞のある風景』という山口裕之さんの本で改めて知りました。
この本では、1920年の『カリガリ博士』に始まり、2009年の『白いリボン』まで、様々なドイツ語映画と、その中で出てくる台詞や見どころを解説しています。これを読むと、ドイツ映画をもっと色々観たくなること、間違いなしです。
それでは今日はこの辺で。
ドイツ映画は今後も色々紹介していきたいと思います。
チュース、ビスダン!
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