すみよしの手帖

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海外MBAに行かなくてもいい理由

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MBAに行こうかなと思っている人が気になるのは、「MBAに行く理由は分かった。行かない理由は何だ?」ということではないでしょうか。

この記事は「MBAなんて行かなくてもいいぜ!」と言いたい記事ではありません。

MBA行くといいよという情報は沢山あるだろうと思ったので、じゃあ行かなくてもいいかもよっていう視点も紹介したほうが役に立つかなと思って書いたものです。

(写真がコーヒーなのはこの記事のタイトルが当初「海外MBA 私費留学の苦味」だったため。)

 

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お金がかかる

いきなり身も蓋もありませんが、お金がかかります。

フルタイムの私費留学は、勉強している間は無給ということになります。

本来働いていたならばお金が稼げたであろう期間です。

これに加えて何百万円という学費+生活費が必要になります。

お金は出て行く一方です。これを例えば3年で取り返そうとすると、相当な年収アップが必要になります。

 

私は2015年~2016年まで1年制のドイツのMBAに通いました。

私のクラスはフルタイムMBAでしたが、50人強いたクラスメイトのうち、社費留学は2人だけで、あとの人は皆、私費留学でした。

家族からお金を借りていた人もいれば、ローンを組んでいた人もいるでしょう。私は貯金で通いましたが、学校が終わるころにはほとんど使い果たしていました。

 

勉強するなら勉強に集中できる環境をある程度整えておきたい、色々掛け持ちすると自分の性格上中途半端になるだろうと思ったので、自分はパートタイムは考えていませんでした。

同じ理由で勉強しながらバイトする、という選択肢も却下でした。

(ちなみにパートタイムのクラスはほとんどの人が社費留学でした。)

 

ドイツは学費がタダ(安い)と言いますが、MBAはタダではありません。

それでも他の国と比較すると、ドイツはかなり安い方だと思います。

 

費用対効果は?

“Why MBA?”は面接で必ず聞かれる問いです。
それに対する各人の答えに応じて、費用対効果が見合うかどうかが測られると思います。

 

効果を「キャリア・給与アップ」とするならば、クラスメイトの中には、年収がものすごく上がった人もいると思います。しかし、必ずしもかけた費用は返ってきません。

ランキングによるでしょうが、自分を含め就活で苦戦している人は沢山いました。だからかけた費用が当面は取り返せないというケースは多いわけです。お金のためだけに働くわけではないけど、借金が返せないのは困りますよね。転職戦略を含め、よく考えて計画を立てるべきところだと思います。

 

自分は「経営の最適解を知りたい」という思いを持っていました。

他の学校との比較はできていませんが、ある程度広範な知識は得られたと思います。

どこの引き出しに何が入っているか分かるようになった、という感じです。

1年勉強して、その後すぐにマネージャー職どんとこい、と言う感じにはなりませんでしたが、ある程度目的は達成できました。今後はこの知識を実際のビジネスで活かしていきたいと思っています。

 

MBAに行く目的が「経営を学びたい」ということであれば、社費留学も考慮に入りますよね。多くの場合、お給料をもらえて、学費も出してもらえます。そして知識は自分のもの。こんなお得な話はありません。社費留学させてくれる会社って素晴らしいですね。日系企業は、MBAに行かせた若者を平社員に戻しちゃってうまく使えてないなんていう意見もありますが…。

多くの場合、社費留学だったら卒業後に学費を出してくれた会社に戻って貢献しなければなりません。会社によっては契約で何年かは転職できない、と言うケースもあると思います。転職するタイミングでMBAに行こうと思っている人にとっては、これはつらいです。私費留学ならどこに就職しようと自由なので、こういう心配はありません。

 

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専門性を高めたい人のものではない

言ってしまえば、MBAは「広く、浅く」です。

専門性を高めてスペシャリストになりたい人よりも、広範なビジネス知識を身につけてマネージャーになりたい人向けです。私がMBAに行くと言ったとき、上司は「LLM(法学修士)とかの方が専門性が身についていいんじゃない」と言いました。後になってその意味はよく分かりました。

 

将来的にはマネージャーになって人を束ねたい、というわけではない人は、専門性を高めた方が食いっぱぐれがないかもしれません。

ドイツMBA生の現地就活事情 ~心構えと必須パッケージ&参考サイト~」に書いたように、「オーバークオリファイド問題」というのもあります。

 

起業したいなら、即しちゃうのもアリ

卒業後に起業したOBは、「起業が目的なら、MBAに行く以前に会社を始めてしまえばいい」と言っていました。

MBAで学ぶ知識は、もちろん起業したい人の役には立つはずです。しかし、授業で扱う多くのケースは大企業のストラクチャーを前提にしています。

実際起業してみないと、自分の会社の強味やリスクは分からない部分も沢山あるだろうし、勉強をしたって、起業しなければいつまでも自分の会社は成長しません。

 

正直、MBAに行くのにお金も時間もかかるし、その間に会社が成長する時間を失っていることは大きいですよね。トレンドの流れの速い昨今、アイデアがもし既にあるなら、とりあえず起業するのが得策かもしれません。

 

MBAはマネージャーになって給与アップしたい人の方が、起業したい人より多いです。私のクラスメイトで卒業後スタートアップのパートナーになったのは、知る限りものすごく少ないです。

 

ネットワーキングできる場所は他にもある

MBAに行く理由に、「ネットワーキング(人脈作り)」を上げる人もいます。

けれど、MBAに行かなくてもネットワーキングは可能です。例えば起業に関する悩みを共有したいとかいうことであれば、起業したい人が集まるセミナーのようなところでネットワーキングするのが早そうです。

ドイツの場合、街ごとにネットワーキングパーティーなども開催されています。

 

国際的な環境は他にもある

MBAのとても大きなメリットとして国際性があると思います。

これに関しても、もう少し費用を抑えて色々な人と知り合える場もあるような気がします。例えば、語学学校。ドイツのvhs(市民学校)のBWL(経営学)をベースにしたドイツ語のコースはMBA卒が何人かいて、似たような雰囲気があるなと思いました。

MBAは必ずと言っていいほどクラスメイト全員とチームを組んで何かに取り組むし、期間も長いので、もちろん密度はMBAの方が濃いとは思います。

日本にいながら国際的な環境に身を置くのは簡単ではないかもしれませんが、単に国際的な環境で勉強したいという目的であれば、MBA留学よりもお金のかからない方法があるのではないか、ということです。

 

アルムナイ(OB / OG)に話を聞こう!

私は自分でやってみないと人の言うことを聞かないタイプなので、後悔はしていません。

海外MBA留学をしてよかったこと10」という記事に書いたように、行って良かったと思うことも多くありました。

目的が何であれ、その目的を自分が達成したいから行くんだという「自己満足の精神」はあった方がいいと思います。

批判は探せば沢山あるでしょうが、私は行った人の話だけを判断材料にしました。

MBAに行こうかどうか悩んでいる人は、行きたい学校のアルムナイ(卒業生)からできるだけ多く話を聞いてみるのがいいと思います。

 

私は将来的にお金に余裕があれば、また何かしら就学したいなぁと思っています。

 

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