こんにちは、よしのです。
10月は1週間ほど、ギリシャの離島に行ってきました。
行った場所はクレタ島とコス島。
左下の星がクレタのイラクリオン、右上の星がコスのコスタウン周辺
去年、ギリシャのアテネとサントリーニ島に行きましたが、それらの割とメジャーな旅行地とはまた違った趣があり、なかなか楽しむことができました。
今日はこの旅行で見つけた各地の見どころや気づいたことなどを書きます。
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クレタ島(イラクリオン)
クレタ島はギリシャ最大の島。ギリシャのオリーブオイルの品質の高さはよく知られていると思いますが、ギリシャのオリーブ収穫高の約半分はクレタ島が占めるそうです。
イラクリオンは、島の北に位置しており、島の行政や商業の中心。ギリシャで最も裕福な都市とも言われるようです。
クレタ島で紀元前数千年に発祥したミノア文明に関する出土品が唯一見られるという考古学博物館があり、クノッソス神殿も近いことから多くの観光客が訪れます。
イラクリオンの交通手段
私が泊まっていた場所はイラクリオンから少し西に行ったアモウダラ。主な交通手段はバスか、旅行者の場合はレンタカーもありです。
バスは、あらかじめ券売機等でチケットを購入しておけばイラクリオン市内は片道1.2EUR。アモウダラからイラクリオンまで1.7EUR。でもバスの中で買う場合は値上がりして、アモウダラ・イラクリオン間は2.5EURになります。
じゃあ事前にチケットをまとめ買いしておこう、と券売機で3枚なり4枚なり購入すると、毎回のように買った金額よりも安い額面のチケットが混ざって出てきて、本当にイライラしました(笑)。
そういう場合の安いチケットは、バスの運転手さんにかけあって使わせてもらっていました。
イラクリオン中心部のバス停には大体、電光掲示板があってあと何分でバスが来るのか確認できるのですが、アモウダラのバス停には時刻表も何もなく、何分感覚で走っているのか、あとどれくらいで来るのかまったく分かりませんでした。座ってひたすら待つ…というのがゆったりしていてなかなか新鮮でした。
アモウダラで宿泊
アモウダラで泊まったのは「Ikaros Apartment」というアパートタイプの宿泊所です。
海まで徒歩3分くらい。私が泊まったときのお値段はダブルベッド4泊で170EUR弱。
ドイツ語の話せるギリシャ人のご夫婦が経営されており、とても親切にしてもらいました。庭で色々手作りされていて、リンゴや自家製オリーブオイルなどもいただいてしまいました。
めっちゃ美味しくてすぐになくなりそうなローズマリー入りの手作りオリーブオイル
部屋はアパートタイプでキッチンがついており、必要なお皿や鍋、カトラリーなども部屋にあったのでレストランで食べきれなかったお料理を持ち帰り、あっため直して食べたり、簡単な料理を部屋で作って食べたりすることができて良かったです。
考古学博物館
イラクリオンの考古学博物館は、1週間の旅で1、2を争う感動スポットでした。
ここは、ギリシャで最も重要な博物館であり、ヨーロッパでも屈指の歴史的重要性を誇る品々を展示しています。
ミノア文明の展示物を見ることのできるのはこの博物館だけらしく、紀元前7000年に始まる生活用品や美術品の数々を見ると、ものすごい高度な生活をしていたことが見て取れます。
紀元前1800年~紀元前1700年頃のものと思われる薄くておしゃれな模様のカップ
右下、お茶葉を上にのせてそこにお湯をかけるタイプのティーポット
石でできた器やカップ
今でも使えそうな鍋
入場料はクノッソス宮殿(後述)とセットで16EUR。博物館の単独券10EURもあります。夏は朝8時~夜20時まで毎日開いていますが、冬は開館時間が短縮されるようです。イラクリオン中心に来たらぜひ!!
私達は「昔よりも今の方が発展している、進んでいる」と思いがちですが、そうでもないんだなということがよく分かりました。インターネットが普及して、情報が手に入りやすくなり、ツールもお手頃になってあらゆることの敷居が下がってはいますが、各々の技術のレベル(「匠」的な仕事)は昔より優っているとは言えないなと思いました。
社会的、経済的、何等かの要因で、過去の遺産、技術的知識が闇に葬られるとか消失するということは実は珍しくないのだと思います。ピラミッドの作り方だって未だ完全には分かっていないわけですし。今ある技術や知識の素晴らしさを認識して、それを発展させ、後世にきちんと伝えていくことの重要性に思い至りました。
クノッソス神殿
クノッソス神殿はイラクリオン市街地からバスに乗って少し走ったところにあります。
迷宮のようなクノッソス神殿にはミノタウロスが閉じ込められていたという伝説があります。
イラクリオンの主要な観光スポットということで、結構期待していましたが、正直個人的には少し残念でした。
というのも、遺跡を発掘したエヴァンズ博士という人が、彼の「当時はこんな感じだったと思う」という仮説に基づいて遺跡内に建造物を沢山再構築しており、どれが発掘当初と似たような状態で、どれが後から想像に基づいて作った部分なのか、よく分からないのです。
どちらかというと、考古学博物館にあるミニチュア模型、遺跡で見つかった壺や芸術品を見ていた時の方が「これが当時、あそこにあったのか~~」というときめきがありました。
玉座の間 椅子は本物
復元された壁画
クレタ島(レシムノ)
レシムノは、Twitterで最近クレタに旅したというS.A.L Suzuki(@getsal)さんにいいよと教えていただきました。
レシムノはイラクリオンからバスで1時間半ほどで、日帰りできる距離。
道中、山間にオリーブの木の畑が広がっています。
イラクリオンは建物が新しめで、街の風景としてはちょっと殺伐としています。
比してレシムノは、小道などが美しく、歩いて楽しい街です。
フォルテッツァ(ヴェネツィア時代の城塞)
レシムノに行くならぜひ寄りたい城塞跡。16世紀にヴェネツィア人によって建てられたもので、モスクに建て替えられた教会など、建物がヴェネツィア様式で他と少し雰囲気が異なります。
海を眺められる気持ちのいい場所で、ボーっと座っているだけでも時間がつぶせます。
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コス島(コスタウン)
島を移動して、コス島へ。
ギリシャの島にはアテネから大体飛行機が出ていると思いますが、島から島へ直接行く飛行機もあります。ただ数は少なくて、毎日は出ていません。
船もありますが、飛行機よりかなり時間がかかり、自分は船酔いする人間なので飛行機で行きました。
コスの交通手段
空港からタクシーでコスタウンまで片道35-37€。時間にして40分くらい。
バスなら片道3.2€(10分の1以下のお値段!)ですが、日曜の夕方はバスが出ていないので注意です。
クレタからコスに行く飛行機は数日に1本しか出ておらず時間も選べないので、仕方なく行きはコスタウンまでタクシーに乗りました。
コスタウン周辺の移動は貸自転車がおすすめ。島中に貸自転車屋さんがあります。
ヒポクラテスのクリニックだったというアスクレピオン遺跡は山の上にあり、自転車でも行けなくはないですが、トローリーで行くのが楽かもしれません。
コスで宿泊
コス島で泊まった場所は「Gaia Garden」というホテル。
ここはおすすめ!敷地内のどこを見てもきれいです。バンガローっぽい感じで各部屋にバルコニーのような場所があります。
朝食込みでツインが1泊40€程とかなりお手頃でした。
きれいなプール、ビリヤードやエアホッケーなどのレクもあります。
アスクレピオン
コス島へ行くなら是非とも行っておきたいのはやはりアスクレピオン。
入場料8EUR。
アスクレピオンは、「ヒポクラテスの誓い」(患者に害となる治療法を選択しない、依頼されても殺さない、など医学教育などに長く採用されている宣誓文)で有名な古代ギリシャの医者、ヒポクラテスが建てたという治療院兼医学校のような場所です。医術の神であるアスクレピオスを祀る神殿もありました。聖職者の住居跡なども残っており、規模のデカさにビビります。
ここで大昔にそういった先進的なことが大規模に行われていたんだ、と思うと非常に感慨深くなります。木々に囲まれていて、山を登ったところにあるので景色がよく、歩いていて気持ちの良い遺跡です。
西遺跡
コス・タウン周辺はアスクレピオン以外にも遺跡が多くあります。中でも、西遺跡は結構な広さに関わらずタダで入れる!
まだ掘り起こしていないモザイク床や大きな石でできた石畳、ローマ時代の円柱などがゴロゴロしていて、まさに遺跡っていう感じの場所です。
ローマ時代の家(カーサ・ロマーナ)
3世紀ごろに作られたお屋敷。1933年の大地震をきっかけにイタリア人考古学者により復元されることになり、1940年に復元が完成したもの。
入場料6EUR。広さを考えるとちょっと高めですが、入る価値ありです。
美しい中庭や数あるモザイク床を見ることができます。お風呂などもあったようで、かなり豪華なつくりです。
コス博物館
ここも入場料6EUR。西遺跡やローマ時代の家など、コス島の遺跡で見つかった彫像やモザイク画を見ることができます。オリンポス神のアルテミスやディオニソス、ヒポクラテス(と思われる人物)などの美しい彫像が見どころです。
古代劇場
2世紀に建設されたという劇場は入場無料。大理石や花崗岩でできています。西遺跡の向かいにあり、ローマ時代の家とも近いのでまとめて回るとよいと思います。
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ギリシャ料理
旅の醍醐味の一つは現地の料理ですね。
代表的なギリシャ料理は以下のようなものです。
- ザジキ:ギリシャ料理の代表格。ヨーグルトにすりつぶしたキュウリが混ぜてあり、肉や色んな料理に付けて食べる。
- メリジャノ:ナスのペースト。
- サガナキ:揚げチーズ。しつこすぎなくて、チーズ好きにはぴったり。
- ドルマーテス:米に色々混ざったものがブドウの葉に包んである。すっぱい。
- ズッキーニのあげもの
- クロケット:コロッケ。チーズ、ポテト、ムサカっぽいものが入ったものなど。
- グリークサラダ:ギリシャ特有のヤギのチーズ、フェタチーズがのったサラダ。
- スブラキ:串焼き。
- ムサカ:ナス入りラザニア的なもの。じゃがいもとひき肉が入っている。
- タコのグリル
- 海鮮パスタ・海鮮リゾット
- ラム肉
などなど
小っちゃいの色々 手前左がザジキ、奥がグリークサラダ 飲み物付きで10EURと激安
海鮮リゾットとタコのグリル
ムサカのクロケット
肉のスブラキ
旅で一番美味しかった、もちもち揚げパンにシナモンと蜂蜜がかかったデザート(サービス)
上澄みを飲むタイプのギリシャコーヒー
ミュンヘンのギリシャ料理屋さんは小さいサイズでちょっとずつ色々食べられるお店が多いのですが、クレタとコスのギリシャ料理レストランは各料理のサイズが大きい所が多く、1人で食べるなら多くて2品だなと思いました。お会計するとおまけでデザートをつけてくれる店が多いので、おなか一杯だとこれが入りません。
私が入ったお店で出たおまけのデザートは、マスカット、メロンなどのフルーツや、チョコレートケーキなど。ちょびっととかでなくどかんと。さらに、お店によってはリキュールをおちょこないしはとっくりサイズで出してくれるところもあります。
アパートメントの女将さんが教えてくれましたが、こういう日本で言う「おもてなし」的な発想は「フィロティモ」から来るそうです。「フィロティモ」はギリシャ特有の言葉で、プライド、尊厳、勇気、自己犠牲、他者への親切な行いなど、いろいろな考えを含む言葉なのだそうです。
美味しいレストランを探すのは結構大変でした。
オフシーズンだからか?中心部でもガラガラのレストランが多く、どこに入るか決めるのにとても時間がかかりました。現地の人はあまり外食しなさそう、するとしてもギリシャ料理屋さんにはあまり行かない様子で、イタリアンとか音楽のガンガンかかっているバーなどでローカルっぽい人達を見ました。
クレタとコスを旅行して気づいたギリシャ離島の特徴
とにかく猫が多い
特にコス島は猫の島と言ってもいいのではないかというくらい猫だらけ。野生動物の面倒を見ている団体がいるようで、色々な所に寄付金ボックスがありました。そこの人かと思いますが、オートバイで毎日猫の集まる場所を巡回して餌をやっている人がおり、野生の猫でもふっくらツヤツヤしてました。
注射とかちゃんとしてあるのかはよく分かりません…。お店にいる猫達は特にシッシとされる様子もなく、現地の人は猫がいるのが当たり前と思っているみたいです。お土産物屋さんには島の名入り猫グッズもありました。
食べてると寄ってくる猫
トルコっぽい雰囲気
バスの中やお店でかかってる音楽はトルコっぽい感じでした。太鼓がポコポコなってて、声がのびるような感じのやつです。コス島などはトルコまで4kmくらいと、トルコがギリシャ本島よりも全然近く、目と鼻の先なので、多分通勤している人もいるだろうし交易も盛んでトルコの影響を今も昔も強く受けているだろうなと思いました。
お店の営業
スーパーなどは22時まで開いていました。数が少なく見つけるのに苦労します。
子供が多いのか、子供服の店が多かったです。中華系の激安ショップも結構見ました。
アパートの女将さんにご飯に誘っていただきましたが、開始が20時半と食べる時間も結構遅めのようです。
レストランは大体無料Wi-Fiがあります。
肉屋でウサギの肉を何度か見たので、ウサギを食べる文化が割と浸透しているようです。
空き家が多い
一番栄えているはずの港の裏や表通りでも、つぶれて空き家になっている場所が沢山ありました。
立地の良い素敵なお店が売りに出ている
10月は既にオフシーズンらしいので、皆仕事を切り上げて旅行にでも行ってしまったのでしょうか…心配になりました。
お店が全部閉まっててガラガラの通り
トイレが結構きつい
トイレットペーパーを流してはいけない便器が多いです。最初は「!?」と思いましたが、何件も見るうちに「ここではこれが通常らしい…」と理解していきました。
大体便器の隣に大きなゴミ箱があって、そこに使ったトイレットペーパーを捨てます。最後までなぜだかわかりませんでしたが、海に囲まれてることが関係あるのかな…?アテネのトイレでは流してよかったと思うのですが。
用を足すときの動きが複雑になってトイレに行くのがおっくうでした。
鍵のかからないところや便器に蓋のないところもありました。
天気がいい
滞在した1週間の間、天気はずっと晴れで、気候も23度~16度くらいと丁度良かったです。
冬は結構寒くなるみたいですが、1年を通して過ごしやすい期間が長そうです。
海の水は透き通っていてやはりとてもきれいですね。10月なので泳ぎはしませんでしたが。
原チャの2ケツが多い
島なので車みたいな大きくてお金のかかる交通手段より、原付が手軽で便利なのだと思います。若者が原付に2人乗りしているのをよく見ました。
皆マルチリンガル
旅行業が盛んでヨーロッパ各国から旅行者が来るので、英語に加えドイツ語、フランス語、イタリア語などは一定程度話せるという人が多かったです。特にクレタとコスはドイツ人旅行者がすごく多くて道を歩いていてもしょっちゅうドイツ語を耳にしました。アジア人は、ほとんど見かけませんでした。
旅行中は『地球の歩き方』と『ワールドガイド』にお世話になりました。
以上、クレタとコスの旅行記でした。
それでは、ビスダン。
※ 記載の価格は全て私が行った時点でのものです。
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